複製とサイトの名前の変更

データベースの複製の名前を変更するには、その複製を削除し、別の名前で新しい複製を作成する必要があります。 サイトの名前を変更するには、その所属の中のサイト間、特に名前変更を指定されたサイトと処理中のマスター サイトの間で、計画と調整を行う必要があります。 名前変更を行う前に、すべてのサイトの同期化を行います。

サイトの名前変更

ほとんどの Rational® ClearQuest® クライアントは、データベース セット名を使用して接続情報を指定します。 データベース セット名は、各クライアント マシンの Windows® レジストリや、Linux® と UNIX® システムではファイルに保管されます。 これらは、MultiSite 環境では通常 CQMS.CLAN.SITE という名前が付けられますが、この命名方式はオプションです。 ほとんどのクライアントでは、任意の名前を使用して Rational ClearQuest MultiSite データベース サイトにアクセスすることができます。 ただし、multiutil コマンドは、コマンド行に渡された別個の所属引数やサイト引数で、データベース セット名を構成します。 さらに multiutil コマンドは、データベース内の情報とコマンド行に指定されているサイト名を比較して、そのサイト名がその所属に対して有効かどうかを検査します。 そのため、multiutil コマンドでデータベース セットにアクセスする場合は、データベース セット名がデータベース内に保管されている情報と一致している必要があります。

renamesite コマンドは、レジストリ内に保管されているデータベース セット名を変更します。処理中のマスター サイトの名前を変更する場合に、renamesite コマンドを実行すると、データベース セット名が変更されます。 別のサイトの名前を変更する場合に、そのサイトのマスター データベース複製が syncreplica -import 操作の中で名前変更の通知を受信すると、データベース セット名が変更されます。 そのため、サイト名が変更される場合は、名前が変更されるサイトの同期サーバー上にある接続情報を、そのサーバーが次に multiutil 操作を行う前に更新する必要があります。 通常、これにはバッチ ファイルまたはシェル スクリプトの編集が必要です。 他のクライアントの更新に関する考慮事項は、名前変更の理由によって異なります。 名前変更には 3 つのシナリオがあります。それらを以下に、単純なものから順にリストします。
  1. サイトを廃止し、そのことをサイト名で示す場合。 例えば、Austin を Obsolete_Austin のように名前変更する場合などです。

    この場合には、rmreplica コマンドを使用してそのサイトにあるユーザー・データベースを削除することで、不要なデータベースへのアクセスが継続されることを防ぐことができます。

  2. ユーザー データベースの使用は継続するが、サイトに別の名前を付ける場合。 例えば、バンクーバーからトロントに操作を移動し、Vancouver というサイトを Toronto に名前変更する場合などです。

    この場合、サイトは名前変更されますが、データベースは同じサーバー上に存続するため、データベース セット名を変更する必要はありません。 しかし、サイトの名前変更に合わせて、データベース セット名を変更することも可能です。 データベースを別のサーバーに移動する場合は、各クライアント上の接続情報も更新する必要があります。

  3. 以前からあるサイトに別の名前を付けてアクセスを継続し、その以前の名前で新規サイトを作成する場合。 例えば、データベースを Vancouver から Toronto に移動した後で、Vancouver というサイトを作成する場合などです。

    この場合、古いデータベースの操作は別のサイト名で継続されます。 データベース セット情報が更新されていないクライアントは、正常に動作しているように見えても誤ったサイトに接続します。 この例で言うと、ユーザーはクライアントが新しい Vancouver サイトに接続していると考えますが、実際には、古い Vancouver (現在の Toronto) サイトに接続しています。 各クライアント上の接続情報を更新して、確実に正しいデータベースにアクセスするようにします。


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