tDiaryをCGI/FastCGI環境で動かす場合は、WebサーバのBasic認証機能を使って認証を実現しています。一方、Rack環境で動かす場合には、Rackミドルウェアにて認証を実現します。ここでは、Rack環境での認証の導入方法を説明します。
Rack環境では、以下の認証方法が利用できます。
Basic認証はCGI/FastCGI環境と同様に、 .htpasswd
ファイルによる認証を提供します。外部サービス認証はOpenIDやOAuthなどの仕組みを使って、TwitterやGitHubなどの外部のサービスによる認証を提供します。
Basic認証では、パスワードを2つの方法で格納できます。通常はパスワードがハッシュ化されて保存される1の方法を利用してください。
htpasswdコマンドを使って.htpasswd
ファイルを作成します。
htpasswd -cd .htpasswd username
-cオプションはファイルの新規作成、-dオプションは暗号化にCRYPT方式を利用します。現時点ではCRYPT方式にのみ対応しており、MD5やSHA1方式には対応していないため、必ず-dオプションを指定してください。
外部サービス認証は、OmniAuthという認証フレームワークを利用して実現しています。設定方法は、利用する外部サービスによって若干異なります。 ここでは、Twitter認証を利用する場合を例にとって説明します。
まず、利用する外部サービスに対応したライブラリを有効にします。Twitter認証では omniauth-twitter
ライブラリを使用します。Gemfileにて以下の行が有効になっていることを確認してください。無ければ追加してください。
gem 'omniauth'
gem 'omniauth-twitter'
次に設定ファイル config.ru
を編集します。 use OmniAuth::Builder
ブロック内の provier :twitter
で始まる行を有効にします。
# OmniAuth settings
use Rack::Session::Pool, :expire_after => 2592000
use OmniAuth::Builder do
configure {|conf| conf.path_prefix = "#{base_dir}/auth" }
provider :twitter, ENV['TWITTER_KEY'], ENV['TWITTER_SECRET']
end
設定ファイル config.ru
に書かれているTWITTERKEYとTWITTERSECRETは、Twitter認証を利用するための鍵 (Consumer key) とパスワード (Consumer secret) です。これらはTwitterのサイトから取得できます。
鍵とパスワードを取得したら環境変数に設定します。
export TWITTER_KEY="your_consumer_key"
export TWITTER_SECRET="your_consumer_secret"
ここではbashの例を書きましたが、環境変数の設定方法は環境によって異なります。たとえばherokuの場合は heroku config
コマンドを使用します。もし環境変数が設定できない環境であれば、 config.ru
を直接書き換えてください。
日記の編集画面へのアクセスを許可するアカウントを設定します。 config.ru
内の use TDiary::Rack::Auth::OmniAuth
で始まるブロックをコメントアウトしてください。
map "#{base_dir}/update.rb" do
# use TDiary::Rack::Auth::Basic, '.htpasswd'
use TDiary::Rack::Auth::OmniAuth, :twitter do |auth|
auth.info.nickname == 'your_twitter_screen_name'
end
run TDiary::Application.new(:update)
end
your_twitter_screen_name
にあなたのTwitterアカウント名を設定します。
日記の編集画面にアクセスすると、Twitterのログイン画面が表示されるようになります。編集画面へは your_twitter_screen_name
で指定したアカウントのみがアクセスできます。